これまでも、これからも。心でつながる確かな絆。
2005年。尚子さんはサックス奏者としての自分の力を試すため、単身アメリカへ渡った。渡米後しばらくは、ニューヨークのレストランでアルバイトをしながら語学学校に通う日々。あるとき、尚子さんは同じレストランで働く一人の女性と出会った。彼女の名前はメグミさん。お客さんが少ない店内はいつも静かで、二人でいろいろな話をするようになった。「語学学校にいるときはできるだけ日本人のグループと固まらないようにしていたんです。でも、彼女は学校にいる日本人とは違っていました。」
アルバイトをしながらアメリカの短大に通っていたメグミさん。その土地の人や文化と積極的に関わろうとする彼女の姿は、尚子さんにとって新鮮だった。
アルバイト先での出会いから一年ほど経ち、二人の道はそれぞれに変化していた。ときどき一緒に食事をすることもあったが、就職が決まったメグミさんはニューヨークからボストンへ配属されることに。そして、それから二年間は連絡を取ることもなくなってしまった。
端から見れば疎遠になった二人だが、「特に心配はしていなかった」と尚子さんは話す。
それは、メグミさんと”心でつながっている”感覚があったから。
常に連絡を取り合わなくても、会うことが少なくなっても、再会すればいつものように笑いあえる…。共に過ごしてきた時間の中で、尚子さんとメグミさんとの間には心と心でつながる深い絆ができていたのだ。
帰国後もアメリカにいた頃と変わず、二人の関係は続いていた。東京で用事があるときはいつもメグミさんの家に泊めてもらい、仕事や恋愛、将来のことなど、お互いに何でも話し合っていた。「メグミちゃんは、”いつか自分のお店を開く”という夢を持っていました。亡くなったお父さんがお店を経営していたので、その影響が強かったんでしょうね。」と尚子さん。帰国してしばらく経ったある日、尚子さんは物語珈琲を抱えて東京の吉祥寺に向かっていた。メグミさんから「姉と一緒に美容院を開く」という報告があったのだ。オープンしたばかりのお店に駆けつけると、そこはメキシコの街から飛び出してきたような色鮮やかな世界。念願の夢が叶ったお祝いに物語珈琲を手渡すと、美容院の店頭に飾るほど喜んでくれたそうだ。
「ニューヨークにいた頃から”姉に似ている”とメグミちゃんに言われてたんです。実際にお姉さんと会ってみて、私も思わず納得しました。」サッパリした性格だというメグミさんのお姉さん。彼女とも出会ってすぐに打ちとけ、今では三人で遊びに行くこともあるという。「とにかくいつも奇想天外な関係なんです。再会の仕方も、私たちの共通点も。」尚子さんはメグミさん姉妹との思い出を楽しそうに話してくれた。
およそ十年前の出会いから、いつしか家族のような関係に。軽やかで優しい味わいの珈琲は、これからもいっそう輝く三人姉妹の、素敵な未来を予感させてくれる。
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